一般社団法人の設立

一般社団法人の設立について_アイキャッチ画像

一般社団法人の特徴

一般社団法人の特徴としては、一般財団法人とは異なり設立時に拠出金が不要な事、NPO法人と異なり入会を希望する人に対して入会条件を付すことができること、公益性は必須ではない事、そしてこれら二つの非営利法人より少ない人数、2人以上の人が社員さえ集まれば設立できる事などが挙げられます。

一般社団法人のメンバーの選定

一般社団法人は、公益的な活動を行うNPO法人と異なり、特定の仲間内の共益的な後述の定款にて自由に社会員(法律上「社員」)の条件を付すことができます。

そのため、入会(入社)資格を特定の資格を有する人、特定の職業を営む人、特定の地域の出身の人などに限定したり、さらに理事会の同意や既存のメンバーの同意を条件としたりすることも可能なため、小規模のグループや仲間内だけのグループにすることもできます。

一般社団法人設立にかかる費用と設立後にかかる税金

一般社団法人を設立する際、公証人や法務局に払う手数料として合計で110,000円(+実印代&謄本・証明書代等~10,000円)かかります。

これは自分で手続きをしても、行政書士などの専門家に依頼をしても変わりません。

また、設立後に関わる税金などは、非営利型の一般社団法人が、それ以外かで異なりますが、非営利型の一般社団法人でも少なくとも事務所のある都道府県と市区町村(東京都23区の場合はまとめて東京都に納付)の法人住民税の均等割がかかります。

東京都23区内に主たる事務所を構えるのであれば法人住民税の均等割額は70,000円です。

ただし、都道府県では神奈川県など、市区町村ではさいたま市などは公益型の一般社団法人などに対して減免申請を受け付けている自治体もあります。

法人住民税は都道府県ごと、市区町村ごとに税率が異なります。自治体により極端な税額の違いはありませんが、設立時にどこに事務所を設けるか考える場合に参考にしてもいい指標かもしれません。

一般社団法人の役員報酬

一般社団法人は役員に対し、役員報酬を支給することができます。

この点は、役員の一定数しか報酬をもらえないNPO法人とは異なります。

一般社団法人の基金制度

社団法人独特の制度で、一般社団法人の資金調達の方法として「基金制度」があります。

基金制度を利用するか、しないかは任意で、集めた基金は自由に使えます。

募集をする場合、「募集事項」を定めて、お金を拠出してくれる引受人に通知します。

引受人は現金での出資はもちろん、現物での出資もできます。

純資産額が基金を上回った場合、上回った部分について引受人に対して返還する必要があります。

一般社団法人に向いている団体

世間に対して広く公益性を求められるNPO法人とは異なり、地域や業界など仲間内の共益的な組織でも設立できるため、小さなグループなどにも適していると言えます。

設立時に必要な社員などの数

一般社団法人は、下記の表のようにNPO法人や一般財団法人と比較し、少ない人数で法人設立・運営ができることも特徴の一つです。

 一般社団NPO法人一般財団
設立時社員・評議員2人以上の社員(会員)10人以上の社員(会員)3人以上の評議員
理事1人以上3人以上3人以上
監事理事2名だけなら不要1人以上1人以上

一般社団法人の監事について、理事が3名以上おり、理事の合議機関である理事会を設置する場合は監事1名以上の設置が必要になります。

一般社団法人に活用される組織例

一般社団法人は必ずしも公益性は必要なく、狭い範囲の仲間内の共益的活動を主たる目的としても設立ができます。

現実によくある例えとして代表的な団体としては下記のようなものが考えられます。

  • 近隣住民のみに限定された町内会商店会
  • 同じ学校出身者による同窓会
  • 同じ趣味や嗜好を持つサークル団体
  • 同じ職業の人たちで構成される同業者団体業界団体
  • 特定の学問に精通した学術団体
  • 特定のスポーツの普及・振興を目指すスポーツ協会

、などがよくある例です。

 

なお、上記に上げた事例以外にも、必ずしも公益的な活動に限られないため、ソーシャルビジネス(社会起業家)のビジネス、小規模な人員によるベンチャー起業、企業同士の合弁事業を行う受け皿としても活用できます。

法人になることのメリット

もちろん、上記のような活動をこれからしたい場合、または、すでにしている場合でも、必ずし一般社団法人として設立手続きをする必要があるわけではありません。

しかし、一般社団法人など、法人格がない団体の場合、契約の主体はその集まりの代表者などの一個人によるものになります。

小さな団体などで大きなお金や契約を扱わないのであればよいですが、活動がある程度大きくなってきたり、会費などで大きなお金を預かったり、対外的に取引などをする場合は法人格を得るために一般社団法人を設立するのがよいでしょう。

法人格がないとなると、現金の振込や管理は代表者個人の銀行口座に預金として預けたりし、万が一の事故で相続が発生した場合に問題になります。
また、何かを買ったり、契約をする場合、代表者個人との契約となり、問題が起こった場合に代表者個人が大きな責任を恐れもあります。

一般社団法人に向かない団体

一方、一般社団法人には向かない組織には下記のようなものが挙げられます。

事務手続きをやる余力、経済的余裕がない組織

一般社団法人になると、場合によっては法人税や消費税などの税金の申告が必要になり、正確な税務申告をするためには適切な会計記帳をできるようにする体制を整える必要があります。

一般社団法人の設立をする際、また、設立後に役員の新任・退任、住所、団体名、事業目的が変更した場合、その都度、手続きをすることになります。

ある程度大きなお金を管理・運用したり、事務のために有給スタッフを雇用したりする場合は一般社団法人を検討するのも良いですが、小さな団体であればそのまま任意団体として活動を続けるのも選択肢の一つです。

また、当事務所では会計記帳や給与計算、役員会などの議事録作成など社団法人の事務業務の代行もいたしておりますので、お気軽にご相談ください。

収益性の高い事業を行う組織

一般社団法人は利益の分配ができません。つまり、毎年度の決算で利益の剰余が出た場合でも株主配当のように社員(会員)に対して分配することはできません。(ただし、役員への役員報酬、従業員の昇給や賞与を与えることはできます。)

一般社団法人設立時に必要な書類

まずはじめに、一般社団法人設立に向けて用意しなくてはいけない書類は下記のとおりです。

公証人役場への提出書類

まずは団体の基本ルールである”定款”を作成し、さらに公証人役場にいる公証人の認証を受ける必要があります。

公証人役場は全国にありますが、法人の住所となる都道府県内の公証人役場で手続きが必要です。同じ都道府県内であれば市区町村は問いません。

  • 定款*1
  • 法人設立者となる人の印鑑登録証明書*2
  • 認証手数料 5万円
  • 定款認証謄本 約2,000円
  • 委任状*3

*1 事前に作成が必要です。
*2 実印をお持ちでない方ははんこ屋などで規定の大きさで作成し、お住いの市区町村役場で印鑑登録し、証明書を交付してもらってください。
*3 委任状がない場合は法人設立者全員が公証人役場へ出向く必要があります。

目的に応じた定款の中身の作成、実印の用意は当事務所でも対応いたします。また、併せて当事務所を受任者とする委任状をいただければ公証人役場での手続きも法人設立者の出頭不要で行います。

法務局への提出書類

  • 設立登記申請書
  • 認証を受けた定款
  • 設立時理事(監事)就任承諾書
  • 設立時代表理事の印鑑証明書
  • 設立時代表理事選定書
  • 決議書
  • 登記事項を記載する用紙
  • 登録免許税6万円
  • 印鑑届出書
  • 委任状(代理人が手続きを行う場合)

一般社団法人設立の流れ

設立時社員の募集

一般社団法人の構成員は法律上「社員」と言います。

この「社員」とは、一般的に給与をもらって従業員として働いている人を意味するのではなく、その法人の意思決定をする人の事を指します。

一般社団法人を設立するには、社員2名以上が必要です。。

NPO法人は10名の社員、一般財団法人は3名の評議員をそれぞれ設立時に求められる事と比較すると一般社団法人はより少ない人数で設立できるのが大きな特徴です。

社員が集まったら定款の作成

2名以上の社員が集まったら、次にその社団法人の最も根本的なルールを定める「定款」の作成が必要になります。

この定款には記載をしないと定款自体が無効になってしまう「絶対的記載事項」、定めるかは任意だが記載をすることにより効果を発する「相対的記載事項」があります。

一般社団法人設立において必要な絶対的記載事項は下記の7項目です。

絶対的記載事項

  • 目的
  • 一般社団法人の名称
  • 主たる事務所の所在地
  • 設立時社員の氏名
  • 名称
  • 住所
  • 社員の資格の得喪に関する事項
  • 広告方法
  • 事業年度

定款の記載などは後で変更することもできますが、登記に関わる所については変更するのに手数料がかかるので、なるべくはじめに内容を練って作成することをおすすめします。

定款の認証

最低限上記の事項、また必要に応じて相対的記載事項を定めた定款が完成したら、この定款は公証役場にいる公証人に認証してもらう必要があります。

公証役場での定款認証には、手数料として50,000円(+謄本代 約2,000円)かかります。

また、定款が認証が終わったら、最後に法務局での登記が必要です。

NPO法人の場合は定款認証は不要で、後述の法務局への手数料である登録免許税ともにかからないため、この点についてもNPO法人と一般社団法人の大きな違いとも言える点でしょう。

理事や監事などの役員の選任

一般社団法人の役員である理事や監事などは、組織の最高意思決定権者である社員、または社員で構成される社員総会により選任されます。

役員の選任は定款認証前に設立時の役員として定款に記載することも可能です。

理事の選任

理事とは、一般社団法人の日々の業務を行う人です。

一般社団法人を設立する際には、理事1名以上を定める必要があります。

社員と理事が兼任することは可能です。

理事会の設置

理事会を置く場合には3名以上の理事が必要です。

理事会を設置した場合、三ヶ月に一度開催しなくてはいけませんが、事前に定款で定めていれば最低年二回開催にすることもできます。

監事の選任

監事とは、理事や一般社団法人の従業員が適正に業務を行っているか監督する人です。

一般社団法人において監事については選任は任意ですが、理事会や会計監査人を設置する場合は選任必須になります。

なお、監事は従業員を兼務することはできません。

会計監査人の選任

会計監査人とは、法令や会計が正しく行われているか監督する監事と異なり、会計監査のみを行う役員です。

会計監査人の選任は任意ですが、負債が200億円以上の大規模な一般社団法人の場合は設置が必須です。

法務局での登記申請

定款の認証を受けたら、法務局での登記申請を行います。

代表者が自ら赴く場合は委任状は不要ですが、他の人にお願いする場合、つまり代理人によるて続きをする場合は「委任状」が必須になりますので注意が必要です。

また登録免許税として法務局に収めるために収入印紙60,000円が必要です。

審査期間は早くて数日、混み合っている場合は2週間ほどかかるでしょう。

法務局での登記が完了すれば一般社団法人の設立は完了です。

一般社団法人設立直後の手続き

定款の認証、法務局での登記が完了した後、ケース・バイ・ケースで下記のような手続きが必要になります。

  1. 法務局での法人印の登録、謄本&印鑑証明の取得
  2. 各行政機関に対する許認可申請
  3. 銀行での口座開設
  4. 税務署への届出
  5. 都道府県税事務所・市区町村役場への届出
  6. 年金事務所への届出
  7. 労働基準監督署への届出
  8. ハローワーク(職業安定所)への届出

当事務所でできる事

当事務所では一般社団法人の設立のための書類作成や手続きなどはもちろん、ご希望があればその後の会計や総務などのアドバイスも行います。

また、これから法人設立を考えられている方は、一般社団法人、一般財団法人、そしてNPO法人等様々な法人の中からどの形態が自分たちにふさわしいか悩まれている方も多くいると思います。

どの法人形態にするべきかお悩みの方には設立前にどのような活動を考えられているかヒアリングをさせていただき、適切と思われる法人、その法人での定款の記載事項についてのご相談にも対応させていただきます。

※当事務所では登記手続きの部分は代行できませんので、ご自身で行っていただくか、こちらで司法書士をご紹介いたします。

執筆者

特定行政書士、張国際法務行政書士事務所代表
1979年(昭和54年)生、東京都渋谷区出身。10代後半は南米のアルゼンチンに単身在住。
帰国後は在住外国人を支援するNPO団体にて通訳・翻訳コーディネーター&スペイン語通訳として勤務。
ビザに限らず広く外国人に関わる相談をライフワークとしています。
詳細なプロフィールはこちらをご参照ください。

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