在留資格「技能」の活動内容について
入管法上、在留資格「技能」は、
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動
、と定められています。
一体何が特殊な分野なのかは入管法とは別に法務省令で列挙されています。
※本邦の公私の機関とは、日本にある政府関係機関、地方自治体の関係機関、公益法人など公的な機関、また民間の会社法人を意味します。
個人事業主が個人経営するお店や事務所でも在留資格の内容による活動をするための施設、設備、雇用契約がされていれば許可されます。
在留資格「技能」に該当する特殊な分野とは?
調理師、建築技術士、外国製品の製造・修理をする職人、宝石・貴金属・毛皮職人、動物調教師、石油や地熱等を掘削・調査する人、パイロット、ソムリエです。
この在留資格では、これら以外では認められません。
調理師(コック)の場合
この在留資格で一番多いのは調理師、いわゆるコックさんでしょう。
この調理師というのは、どのような飲食店でもよいわけではなく、外国の料理で、日本において特殊と言える事が必要です。
そのため、日本によくあるただの「ラーメン屋」では不可となります。
また、同様の理由でただの「焼肉屋」等では不可となります。
もちろん、日本的な味噌ラーメンをメニューの一つとして提供してても他に中国独特といえる料理を提供している中華料理屋であれば問題ありません。
同じく、焼肉店についても日本的な焼肉では不許可とされる可能性がありますが、日本的な焼肉のほかに韓国独特のメニューを提供する料理屋もこの在留資格の対象となるといえます。
調理師(コック)に必要とされる実務経験年数
上記のとおり、その調理師(コック)が作るものが「外国料理」で「特殊なもの」といえる事が必要ですが、さらに実務経験年数についても原則として「10年」の実績が必要とされます。
ただし、この「10年」の実績には、外国の調理専門学校等の教育機関においてその料理の調理方法、食品の製造方法を専攻した期間を経験年数に入れる事が出来ます。
※さらに、タイ料理の調理理の場合、日タイEPA付属書により、「初級以上の技能水準を証明するタイの証明書を受けている事」、「タイにおいてタイ料理人として妥当な額の報酬を受けていた事」を証明すれば、特別に5年の実績で認められます。
待遇に関する要件
いずれの場合でも、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の給与を受ける事が要件となります。
当事務所でできる事
このように、「技能」ビザは今の日本でも飲食店でよくみかけられる、外国人コックが働くことを想定したビザ(在留資格)でもあります。
ここでは調理師の場合の要件のみ参考として挙げましたが、調理師以外には非常に特殊な職業ばかりで、それぞれの職種によって求められる要件が異なります。
比較的要件が単純な調理師についても、10年以上の実績の証明方法、その料理が日本において特別と言えるかどうかの判断など難しいところがあります。
特に、近年は入管の審査も厳しく、過去の在職歴については外国語のできる審査官や在外日本公館を通じて現地調査がなされたり、厳しく審査される傾向にあります。
許可されるための要件を問題なく満たしているにも関わらず立証の方法が上手くいかず、せっかく頑張って準備して申請したにも関わらず不許可とされてしまう事もあります。
当事務所にご依頼をいただければ、まずは初めのお見積りと併せて可能性があるか判断をさせていただきます。
許可の可能性がある場合は申請人本人である外国人の方と雇用される会社担当者様からのヒアリングを経て、必要書類の収集&作成をし、入国管理局への申請と結果受領に至るまですべてを行います。
平均報酬 100,000円+実費(旅費、印紙代、郵送代など) 正式な報酬については初回の無料相談後にお見積りを提出いたします。
執筆者
- 特定行政書士、張国際法務行政書士事務所代表
- 1979年(昭和54年)生、東京都渋谷区出身。10代後半は南米のアルゼンチンに単身在住。
帰国後は在住外国人を支援するNPO団体にて通訳・翻訳コーディネーター&スペイン語通訳として勤務。
ビザに限らず広く外国人に関わる相談をライフワークとしています。
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