日本国籍と外国籍の二重(多重)国籍の子どもが生まれたら
日本人であることの要件を定める日本の法律、国籍法12条によると、
出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、戸籍法 の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本の国籍を失う。
、と定められています。
「戸籍法の定めるところにより~」とは、海外の日本大使館など(国内にいる場合は本人の本籍地の市区町村長)へ行う「国籍留保の届出」です。
二重国籍として生まれた子どもで、日本国籍を希望する場合は、意思表示ができない子ども本人に代わってその親権者が他の国籍を放棄するか、この国籍留保の届出をしなくてはいけません。
国籍留保の届出を忘れてしまうと
この国籍留保の届出は、原則として出生より3ヶ月以内に行わなければならず、不注意により怠ってしまうとそれより後からは受理してもらえないのが原則です。
かつてはある程度いい加減に、3ヶ月を過ぎても受理をしてくれた在外公館もありましたが、最近はどこも厳しくなっているという話を聞きます。
国籍留保の届出を忘れてしまうと、例え子どもが二重国籍で生まれても、実の両親が共に日本人であっても、その子どもは日本国籍を出生にさかのぼって喪失してしまう事になってしまいます。
その結果、その子どもは日本では外国人となってしまうため、日本へ入国するのにもビザ手続きが必要になってしまったりします。
国籍留保の届出を忘れてしまった場合の救済措置
このように、子どもの国籍というとても重要な事に関する手続きである国籍留保の届出は、出生後たったの3ヶ月までしか受け付けてもらえません。
そのため、二重国籍の子どもを持つ親でも、知らなかったり、忙しくて3ヶ月を過ぎてしまったりするようなケースはままあります。
このように国籍留保をしなかったために日本国籍を喪失してしまった子どものために、「国籍再選択の届出」という手続きが定められています。
国籍再選択の届出の要件
ただし、この国籍再選択の届出をするためには、下記の二つの要件をクリアしている事が必要です。
- 届出の時に20歳未満であること。
- 日本に住所を有すること。
特に問題になるのは、「日本に住所を有すること」です。
「住所」というためには、単に日本へ一時的に来るだけでは認められません。
実務上の運用では最低でも6カ月間日本に暮らしてから受理をするように指導されています。
また、同様にあまり注意喚起をされていない点ですが、法律上は外国人となる子どもが日本に来るためのビザについても、大使館で取得できる観光ビザ・短期滞在ビザでは原則として3ヶ月しか滞在できず、住民票も発行されないので、中・長期滞在者のビザで手続きすることが必要です。
当事務所でできる事
当事務所にご相談をいただければ国籍再選択の可能性のアドバイス、お子さんの来日時の ビザの手続きや必要な書類の作成・収集を承ります。
お見積りは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
執筆者
- 特定行政書士、張国際法務行政書士事務所代表
- 1979年(昭和54年)生、東京都渋谷区出身。10代後半は南米のアルゼンチンに単身在住。
帰国後は在住外国人を支援するNPO団体にて通訳・翻訳コーディネーター&スペイン語通訳として勤務。
ビザに限らず広く外国人に関わる相談をライフワークとしています。
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