出国命令制度とは?
1990年のバブル絶頂期、それまで外国人労働力の流入に否定的だった日本政府は入管法を改正し、様々な国から様々な人たちが来日するようになりました。
1993年には正規の許可を得て滞在をしている外国人は約132万人でしたが、一方で不法入国やオーバーステイをしている非正規滞在者の数は約30万人となりピークとなりました。
実に全外国人の5人に1人が非正規滞在者という状態で、これに対して当初は黙認してた入国管理局も取り締まりを強化しましたが、一方で2004年に「出国命令制度」を創設し、その後の非正規滞在者数の数を減少させてきました。
出国命令制度のメリット
「出国命令制度」は一定の要件を満たす非正規滞在者が帰国の意思を持って自ら入管へ出頭した場合、収容をせずに帰国させ、その後の日本への上陸禁止期間が摘発された場合の5年から1年に短縮されます。
※上陸禁止期間を過ぎれば再来日できますが、その際は当然、他の一般の人と同じように自身に該当する在留資格を検討したうえで申請する手続きが必要です。
オーバーステイの人が適法に日本に滞在するには?
オーバーステイと聞くと凶悪な犯罪者を想起される方が多くいるかと思います。
しかし、実際には彼・彼女らの多くは日夜コツコツと働き、母国にいる家族に送金をするために単に出稼ぎ労働者として摘発に怯えながらも日々働きづめの生活をしている人たちもいます。
現在オーバーステイなどビザのない方は、そのままでは路上での警察の職務質問、入管職員の摘発をきっかけに収容され、場合によっては裁判にかけられたり、強制送還される恐れと常に隣り合わせとなってしまいます。
日本での生活が長く、日本で合法的に滞在したいと願う方も多くいると思います。
このような人のためには「在留特別許可制度」がありますが、申請すれば許可されるという性質でもなく、許可の要件も狭く、必ずしもすべての人が利用できる制度ではありません。
在留特別許可制度についてはこちらをご覧ください。
もちろん、すぐに帰国できる人は自発的に帰国をすることをお勧めします。
また、「出国命令制度」は、そのような方も想定されていますが、「在留特別許可制度」は利用できないけども今後、適法に日本に滞在するために一度出国をし、1年を経ってからまた入国を考える人にも検討していただきたい制度です。
出国命令制度を利用できる人の条件
- 自ら出頭する事
- 速やかに帰国する意思がある事
- 在留期限が徒過したこと以外に違反がない事
- 過去に同制度の利用や退去強制をされたことがない事
当事務所でできる事
出国命令制度を受けるには自ら入国管理局へ出頭する必要があります。
しかし、要件を満たしていない場合は同制度は利用できず、自分が要件を満たしているのか、いないのか分からずに出頭をするとそのまま収容される恐れもあります。
また、再度来日を希望される方は併せて次回の再来日に向けの手続きも考えるべきです。
当事務所にご依頼いただければ、要件をみたいしているかの確認、入国管理局への出頭時の付き添い、再来日を考える際の計画なども併せてサポートさせていただきます。
執筆者
- 特定行政書士、張国際法務行政書士事務所代表
- 1979年(昭和54年)生、東京都渋谷区出身。10代後半は南米のアルゼンチンに単身在住。
帰国後は在住外国人を支援するNPO団体にて通訳・翻訳コーディネーター&スペイン語通訳として勤務。
ビザに限らず広く外国人に関わる相談をライフワークとしています。
詳細なプロフィールはこちらをご参照ください。
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