離婚・死別後の在留資格について
「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「家族滞在」のビザ(在留資格)で日本に在留する人が離婚や死別をすると、そのままでは次回のビザの更新が認められません。
しかし、離婚や死別をしても、日本での生活を継続したい人も,もちろんいると思います。
引き続き日本に滞在したい場合、自分に該当する別の在留資格を検討し、在留資格変更許可申請をしなくてはいけません。
離婚を考えている場合、離婚後の注意点
夫婦双方ともに関係修復の意思がなく,すでに別居をし、婚姻の実態がないにも関わらず特に説明もせずに配偶者のビザの更新申請をすると、虚偽申請となって入管から厳しい対応をされる恐れがあるのでご注意ください。
また、2012年7月改正入管法により、新たに婚姻実態なく在留資格「日本人の配偶者等」,「永住者の配偶者等」,「家族滞在」を持っている場合、取り消し制度が創設されました。
これにより、「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」のビザで配偶者としての活動を継続して6ヶ月以上行わない場合は在留資格取消の対象になります。
【参考】入管法第22条の4 在留資格の取消
7号 日本人の配偶者等の在留資格をもつて在留する者又は永住者の配偶者等の在留資格をもつて在留する者が、その配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。
また,「家族滞在」のビザを持つ人はさらに短く,離婚や死別の日より3か月経つと在留資格取消の対象になります。
【参考】入管法第22条の4 在留資格の取消
6号 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を継続して三月(高度専門職の在留資格(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第二号に係るものに限る。)をもつて在留する者にあつては、六月)以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。
入管法22条の4がいう「配偶者としての活動」とは?
なお、余談ですが、「配偶者としての活動」とは何なのか?、と思われる方もいると思います。
入管としては、同居している事を原則としていますが、その基準はあいまいで、恣意的なところがあります。
現代の結婚生活の在り方は多様化しており、単身赴任や事情があって別居している場合などもあると思います。
また、相手方の不貞や暴力が理由で別居を余儀なくされている方もいると思いますが、結婚している場合でもこのような事情がある方は事前に相談することをお勧めします。
離婚後の届出
同様に2012年7月改正の入管法では、離婚後14日以内に管轄の入国管理局にも届け出ないと罰則の対象となっています。
これは在留資格の変更・更新とは異なります。 市役所・区役所などへの離婚届けの提出をしても入管へは連絡されません。
新しい制度で浸透しておらず、うっかり忘れやすい点なのでご注意ください。
離婚準備中、離婚後も日本で居住するための在留資格
- 日本人の実子を養育している場合
- 一定年数の婚姻実態があり、今後も安定した生活を送れる場合
- 別居中で離婚予定
- 離婚調停・訴訟の係争中
- DV被害者の場合
- 相手の浮気や暴力などによる離婚をした場合
- 他の就労系の在留資格に該当する場合
※これらは概ね在留資格の更新や変更が認められますが、申請したものの、出国目的で一時的に在留資格「特定活動」への変更を促されたり、または最悪認められずそのまま帰国を促される場合もありますので慎重な判断が必要です。
※離婚ではないですが、相手方の死亡、死別による場合も変更が認められる場合があります。
当事務所でできる事
離婚を検討されているが、離婚後も日本への在留を希望されている方はお気軽にご相談ください。 行政書士は法律により守秘義務を課せられておりますので、離婚前からの相談にも相手方や周囲の人たちに気付かれないように配慮いたします。
また相手の暴力・暴言、浮気、ギャンブル、借金などが原因で離婚をすることを検討されているけど、離婚をするとビザがなくなってしまい躊躇されている方は一人で悩まずに是非、ご相談ください。
特に相手から暴力等を振るわれているDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)事案ですぐにでも避難したい場合や子どもを同伴されている場合などで、一時的な避難ができる場所(シェルター)を探すお手伝いやその後の生活の相談などもご相談いただければすぐに対応致します。
執筆者
- 特定行政書士、張国際法務行政書士事務所代表
- 1979年(昭和54年)生、東京都渋谷区出身。10代後半は南米のアルゼンチンに単身在住。
帰国後は在住外国人を支援するNPO団体にて通訳・翻訳コーディネーター&スペイン語通訳として勤務。
ビザに限らず広く外国人に関わる相談をライフワークとしています。
詳細なプロフィールはこちらをご参照ください。
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