日本では、憲法20条により信教の自由が保障されており、外国の宗教団体から派遣される外国人宣教師等が日本国内で宗教活動を行うための「宗教」というビザもあります。
「宗教」ビザの定義は入管法上、
外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動
、とだけ定められています。
単に宗教活動を行うというだけでは許可されず、下で説明するような条件をクリアしなくてはいけません。
在留資格「宗教」で認められる活動の具体例
在留資格「宗教」のポイントは、「外国の宗教団体により派遣」と「布教その他の宗教上の活動」です。
具体的には、外国の宗教団体に所属し、当該団体から本邦において布教等を行うことを目的として派遣された神宮、僧侶、司祭、司教、宣教師、伝道師、牧師、神父等としての活動が該当します。
しかし、外国の宗教団体に所属していない宗教家であっても、その宗教家が信奉する宗教団体から報酬を受けて派遣される場合も「宗教」の在留資格に該当します。
「宗教」の在留資格には条文上、報酬の要件は規定されていませんが、日本において社会生活をおくることが可能な報酬を得ることが必要です。
報酬は外国の派遣元から受けるもの、日本で活動する宗教団体から受けるもの、いずれであっても差し支えありません。
在留資格「宗教」の注意点
また、入管の審査時において、下記のようなケースは「宗教」に該当しないと判断されてしまいます。
「布教活動・宗教活動」とはいえないもの
下記のような活動は、「布教活動・その他宗教活動」とは認められません。
- 自ら布教その他の宗教上の活動を行わない者の活動
- 単なる信者としての活動
- 専ら教会の雑役に従事するために派遣される者等の活動(*1)
- 専ら修業や宗教上の教義等の研修を行う活動(*1)
(*1)「専ら(もっぱら)」とは、「主として」行う事を意味し、法律上の定義はありませんが、全体のおおよそ70~80%以上行っている場合は「専ら」おこなっているとなるでしょう。
そのため、雑務を行ったり、就業や研修を行う事が一切禁止されているわけではありません。
「活動財源」が全て日本にあるもの
「宗教」の在留資格により入国するには、 「本邦に派遣されて行う」活動であることを要し、活動の財源がすべて日本にあるような「外国の宗教団体」への参加は「宗教」の在留資格の活動に該当しません。
「活動拠点」が日本あるとはいえないもの
条文上からは読み取れませんが、実際の審査においては「本邦内に拠点となる施設が設置されていること」が必要とされています。この場合、単なるホテルの1室では拠点となる施設とは認められません。
付与される在留期間
5年、3年、1年又は3月
当事務所でできる事
このように、在留資格「宗教」は、宗教活動であれば全て認められるわけではなく、要件が定められています。
また、在留資格「宗教」に該当する事を証明するため、派遣元や受入先、本人に関する資料等を添付して申請しなくてはいけません。
当事務所にご相談いただければ、ヒアリングの上、必要書類の収集・作成、入国管理局への申請書類提出、結果受領まで併せて対応させていただきます。
お見積り、初回の相談は無料です。
是非お気軽にお問い合わせください。
執筆者
- 特定行政書士、張国際法務行政書士事務所代表
- 1979年(昭和54年)生、東京都渋谷区出身。10代後半は南米のアルゼンチンに単身在住。
帰国後は在住外国人を支援するNPO団体にて通訳・翻訳コーディネーター&スペイン語通訳として勤務。
ビザに限らず広く外国人に関わる相談をライフワークとしています。
詳細なプロフィールはこちらをご参照ください。
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